『Catnappers猫文学漫画集』クロスレビュー

10月28日発売のHanako12月号〈同じ釜の本を食らう〉のコーナーで、
長崎訓子さん『Catnappers 猫文学漫画集』の書評を書きました。
『猫と偶然』(作品社)作者で精神科医の春日武彦さんとのクロスレビューです。
『Catnappers』は古今東西の、ねこの登場する小説を漫画化した、かたいのに柔らかい雰囲気の本で、
白やぶちやしましま、たくさんのねこが本の中を、ねこの動きで、所狭しと動きまわります。
別役実さんの「なにもないねこ」が、なにもないのにねこの存在感が漂ってきてとても好きだった。
Hanakoのこの号も、特別企画でも本がたくさん紹介されてて楽しいのでぜひご覧ください。

Catnappers猫文学漫画集(ナナロク社)
Hanako No. 1178 試し読みと目次

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『ぎんちゃんとわたし』掲載情報など

9月17日
JFNのラジオ「simple style -オヒルノオト-」中のコーナーで、
『ぎんちゃんとわたし』のお話をしてきました。
華恵さんが本の中から特に大事な「穴」の話をとりあげてくださって、
きっとねこさんを大事におもっているのだなあとうれしかった。
https://park.gsj.mobi/news/show/59307

9月28日
9/28発売のMORE11月号、〈BOOK〉のところで『ぎんちゃんとわたし』が紹介されました。
ライターは鳥澤光さんです。
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「猫森集会2019」グッズなど

谷山浩子さんのコンサート企画「猫森集会2019」パンフレットとグッズのイラストを担当いたしました。
パンフは内容もインタビューや「花さかニャンコ」のお話で盛りだくさんだし、
わたしも話題に出していただいててじーんとなりました。

グッズはエコバッグ、トラベルポーチ、マグカップとパーカー。
パーカーは後ろ身頃、前胸、袖のところにワッペンがついています。

グッズ詳細はこちら
通販はYAHオンラインショップ
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エコバッグは「ねこねこでんわ」
ポーチは「花さかニャンコ」、
マグカップは「朝ごはんのうた」のイメージで絵をかきました。
パーカーのワッペンはねこねこでんわから。
どれもとても便利でかわいいので、ぜひご覧ください。

『ぎんちゃんとわたし』2019/7/11発売

2014年からぽちぽちとかき続けてtwitterにのせてきた #今日のぎんちゃん がとうとう本になりました。
7月11日『ぎんちゃんとわたし』というタイトルで幻冬舎から発売されます。
今までかいたまんが(ねこのぎんちゃんと過ごす毎日をかいた、のんびりしたまんがです)からの
選りすぐりに、かきおろしとコラムを新しく加えたコミックエッセイです。
編集・プロデュースは石黒謙吾さん、造本と装幀は杉山健太郎さん。

※なお、売上の一部は、動物の保護活動を行うNPO法人ランコントレ・ミグノンに寄付されます。
もし本を読んで、小さい家族をうちに迎えようかなという気もちになったら、ペットショップに行く前に、
捨てられた犬やねこたちの存在について知っていただければうれしいです。

『ぎんちゃんとわたし』
大山美鈴
単行本: 142ページ
出版社: 幻冬舎
ISBN-10: 4344034864
ISBN-13: 978-4344034860
発売日: 2019/7/11

幻冬舎PLUS(電子書籍)
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「spell」について

今回の展示および共作にあたって何案か関心事をあげた中から、〈夢〉をふたりの共通項とすることにしました。わたしは何年もずっと見た夢のメモをとっているので、そのメモを軸にそのほかの日常のメモや日記のたぐいを組み合わせて絵にしていくことにしました。
まず夢のそとでは外部が自分のなかに満ちており自分は受信するだけのアンテナとして機能しているのが、夢のなかではそれらの組み替えが可能になる。記憶の中で、においや手ざわりや音が視覚情報から切り離されてしまって、そうしたイメージの断片が、モニター越しの画像や文字から想起した映像などと区別がつかなくなる。それはそのこと自体がバラバラに書き散らされたメモに似ている。
現実と地続きだが同時には見られないレンチキュラーシートのような関係性、つまり山だ!やはりあちら側に行くには山が必要だな、と思い共作では山をかくことにしました。山を越えるとバラバラメモの世界。あとわたしは昔読んだ本にあった、夢をみるのが壺中天(壺の中に入ると桃源郷があったという話)のようなものだという文をずっと鮮明に覚えていて夢のイメージが壺でもあるので、壺も多くかいています。

そしてタイトル「spell」について。
大山さんはこの英単語を〈綴る/つなぎ合わせる/文字が語を形づくる/魅了する/呪文/まじない/魔法/魅力〉このうちどの意味でテーマとしているのですか、というような質問をされた時うまく答えられなくて「夢とその他のメモをもとにしているので〈綴る〉がメインです」というようなことを言っていたのですが、こういう具合にことばを書いたり、そのことばを組み合わせたり組み替えたりしていくことで世界のあり方がかわる呪的な力を持ちうるというのが一見「綴る」から離れて見える「呪文」や「まじない」という意味でのspellだと思っているので、羅列された訳のすべてがテーマというか制作過程そのものなのではないか、と、このタイトルを付けました。
形そのものに指し示すもののある漢字と比べてアルファベットそれ自体にはそれほど意味がない、だからグラデーション的に意味の拡がりをもつような気がしている。
綴ることによってまず意味されるところのものが別の形に変化するというのはたしかに魔法だし、アルファベットの形になった単語が組み合わされていくさまは、情報が等価になってコラージュのように組み合わされる夢と相似の関係なのだ。